1999年度意見書・要望書

1999年4月21日

厚生大臣 宮下 創平 殿

精神保健従事者団体懇談会
代表幹事  高橋  一
樋田 精一
森山 公夫

「精神病床の在り方」についての要望

 現在、精神病床の在り方について、議論が行われております。わたしたち精神保健従事者団体懇談会といたしましては、昨年6月の横浜における第3回精神保健フォーラムでの合意をふまえ、この問題について以下のように要望したいと思います。よろしくご配慮のほど、お願いいたします。

1.医療法上の精神病院特例を廃止すること。適正な治療体制を整備し、急性期医療、慢  性期医療のそれぞれが連携しながら、時期に応じた高度な治療と適切なリハビリテーションが実施される体制を整備すること。
2.二次医療圏の配慮して、精神科救急及び合併症医療のネットワーク形成を充足させる  こと。

以上

(連名団体)
  国立精神療養所院長協議会 (社)全国自治体病院協議会精神病院特別部会
  全国精神医療労働組合協議会 (社・福)全国精神障害者社会復帰施設協議会 
  全国精神障害者地域生活支援協議会 全国保健・医療・福祉心理職能協会
  全国精神保健福祉相談員会 全日本自治団体労働組合衛生医療評議会 
  地域精神保健・福祉協会 (社)日本医療社会事業協会 (社)日本作業療法士協会
日本集団精神療法学会 日本精神医学ソーシャルワーカー協会
 (社)日本精神科看護技術協会 (社)日本精神神経学会 日本総合病院精神医学会
日本臨床心理学会 日本病院・地域精神医学会

1999年4月21日

厚生大臣 宮下 創平 殿

精神保健従事者団体懇談会
代表幹事  高橋  一
樋田 精一
森山 公夫

「精神保健福祉法」改正に関する緊急要望

 今般、国会に上程された「精神保健福祉法」改正案について、私ども精神保健従事者団体懇談会は、以下の諸点について重大な問題があると考えますので、是非とも充分な検討を行って下さるよう、緊急に要望いたします。

1.医療保護入院の定義を明確にすること(法第33条)  医療保護入院の定義を明確にすることは、医療保護入院が必ずしも「治療」を伴わない強制入院として行われる事例がこれまでままあることから求められたものであるが、改正案ではこの点での曖昧さが残る。医療保護入院で「治療」が保障されるようにする必要がある。これは特に法第44条(精神障害者を除く覚醒剤慢性中毒者への準用規定)削除及び法第34条(医療保護入院等のための移送条項)新設に関連しても重要である。
2.任意入院の同意の定義を明確にすること(法第22条三)  任意入院の運用は、患者本人の「同意」について「自らの入院について積極的に拒んでいない状態をいう」とした昭和63年の厚生省保健医療局精神保健課長通知によっている。この入院形態では、精神医療審査会による入院時の届出や定期病状報告等の審査の対象となっていないので人権上多くの問題が生じている。「同意」の定義を厳密なものとする必要がある。現行の定義では任意入院者の閉鎖処遇を許容する最も大きな要因となっており、また、この問題は改正案における医療保護入院の定義とも関連している。
3.法の「見直し」規定を設けること  現在、障害者施策の整備が図られつつあるが、精神医療・保健・福祉に関する施策の遅れはなお著しく、今回の法改正でも精神障害者に対する差別的な状況が根本的に解決されることなく残る以上、今後における法の「見直し」規定はどうしても必要である。「障害者福祉法」が成立する際には、精神障害者もこれに含めるべきであり、「精神保健福祉法」の福祉条項を「障害者福祉法」の中に移すことを含んだ抜本的な法「見直し」が必要である。

(連名団体)
 国立精神療養所院長協議会 (社)全国自治体病院協議会精神病院特別部会
 全国精神医療労働組合協議会 (社・福)全国精神障害者社会復帰施設協議会 
 全国精神障害者地域生活支援協議会 全国保健・医療・福祉心理職能協会
 全国精神保健福祉相談員会 全日本自治団体労働組合衛生医療評議会 
 地域精神保健・福祉協会 (社)日本医療社会事業協会 (社)日本作業療法士協会
日本集団精神療法学会 日本精神医学ソーシャルワーカー協会
 (社)日本精神科看護技術協会 (社)日本精神神経学会 日本総合病院精神医学会
日本臨床心理学会 日本病院・地域精神医学会