1991年度意見書・要望書

1991年11月3日

第2回精神保健国内フォーラム
代表世話人    道下 忠蔵
柏木  昭
森山 公夫

「精神保健法見直しの要望」

1991年11月12日

第2回精神保健国内フォーラム
代表世話人
森山 公夫(日本精神神経学会副理事長)
道下 忠蔵(全国自治体病院協議会精神病院特別部会長)
柏木  昭(日本精神医学ソーシャルワーカー協会会長)

わたしたち精神保健従事者は、去る11月2・3の両日、千葉の幕張で「第2回精神保健国内フォーラム」を開き、概略以下のようなことを確認いたしました。

「今回の見直しに当たってはまず人権憲章的理念を高くかかえ、国連の「諸原則」案に照らして、すくなくとも人権に関する国際水準は確保しなくてはならない。つぎに福祉に関しては、他の障害者に対する福祉よりいちじるしく遅れている現状を打破し、市町村の取り組みを積極的に進めるとともに、従来の「医療内福祉」の壁を取り払って抜本的レベルアップをはからなくてはならない。
 一方、医療面でも、他科医療に比しいちじるしい劣悪な現状にかんがみ、従来の隔離・収容的考えを一掃して、最低限他科なみの医療水準を保障し、本人が安心してうけられる医療にしていかなくてはならない。そして最後に、医療保護入院・措置入院などのやむをえざる強制入院に際しても、国際水準に照らして、あくまでもそれが「治療」を目的とすることを明確にし、その要件を厳密に規定するとともに、人権保障のためのさまざまな方策がとられなくてはならない。」

 こうした理念のもとにわたしたちは、あらためて精神保健・医療・福祉の抜本的改善に努めてゆきたいと考えております。
 以上の趣旨をお汲みとりいただき、今後の精神保健法見直しにあたってはよろしくおとりはからいいただけますよう、お願い致します。

(主催)
日本精神神経学会 日本精神病院協会 WFMH1993世界会議組織委員会 
共同作業所全国連絡会 自治労衛生医療評議会 全国自治体病院協議会 
全国精神保健センター長会 全国精神障害者釈迦復帰施設協議会 
全国精神保健相談員会日本医療社会事業協会 日本作業療法士協会 
日本集団精神療法学会 日本精神医学ソーシャルワーカー協会 
日本精神科看護技術協会 日本精神神経科診療所医会 日本てんかん協会 
日本総合病院精神医学会 日本臨床心理学会 病院・地域精神医学会 
(顧問)
島薗 安雄(WFMH1993世界会議組織委員長)
河﨑  茂(日本精神病院協会会長)
笠原  嘉(日本精神神経学会理事長)
藤縄  昭(国立精神・神経センター精神保健研究所長)